酒井信/文芸批評・メディア文化論 明治大学/ msakai@meiji.ac.jp/ 『松本清張はよみがえる』『現代文学風土記』など
2015/09/28
ゼミの学生が制作に関わった教育番組の映像がアプリとして発売されました
文教大学情報学部メディア表現学科の酒井信ゼミの学生が、AD(アシスタント・ディレクター)体験を行ったテレビ東京系の番組「しまじろうのわお!」の映像が、アプリ「りったいいきもの図鑑」に使用されました。使用された映像は、映像ディレクターで情報学部の非常勤講師である江里口徹平先生に、撮影の方法論から現場の制作段取りなど実践的なレクチャーをいただきながら、学生が制作をお手伝いしたものです。
「りったいいきものずかん」(3D映像コンテンツ)は、水中生物が動いたり、捕食したりする様子を、360度好きな方向から詳細に観察できる図鑑アプリで、江里口先生が持っている国際特許(360度の被写体撮影・3D再生の技術)を、教育用のメディア・コンテンツとして応用したものです。
番組ホームページでサンプル映像が見られます。
http://kodomo.benesse.ne.jp/open/tv/ikimono_zukan/
メイキング映像「『りったいいきものずかん』のつくりかた」には、AD体験を行った酒井ゼミの学生たちも映っています。
「りったいいきものずかん」アプリの詳細はこちら(AppStoreにリンクしています)
https://itunes.apple.com/jp/app/rittaiikimonozukan/id1003219489
スマートフォンなど新しいメディア向けの教育用コンテンツの制作は、教員養成に重きを置く文教大学にとって将来性のある重要な分野です。今回のような体験を通して「新しいメディアを用いた教育のあり方」や「未来の学校教科書のあり方」について、学生と共に研究しています。
2015/08/19
「新潮45」:産業革命遺産の国際比較
新潮社が発行するジャーナリズム誌「新潮45」の9月号に「世界遺産はかくも政治的なものである」という論文を寄稿しました。ここ最近、力を注いできた論考で、10ページの分量が掲載されていますので、読み応えがあるかと思います。お時間のある折にでも、ぜひご一読下さい。
内容は7月に世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」について、イギリスのリヴァプールやマンチェスター、ドイツのルール地方の産業遺産の展示方法を参照しながら、近代の産業遺産が持つ政治性と、歴史表象のあり方について分析したものです。祖父が働いていた三菱長崎造船所も含めて、故郷の長崎の施設が多くリストに入っていたので、このテーマの原稿はいいタイミングで活字にしたいと、前々から強く思っていました。
取材したときの写真も白黒ですが5枚ほど掲載されています。論壇誌に原稿を書いて10年以上が経ちますが、自分で撮った写真が掲載されたのは初めてです。一眼レフで撮った写真に混じって、携帯で何となく撮った写真も掲載されていますが、最近の携帯は画質がいいのと、誌面が白黒なので違いが全く分かりません(笑)
敗戦から70年ということもあって、論壇誌、ジャーナリズム誌で様々な特集が組まれています。「新潮45」も創刊400号記念特大号で特集など誌面に力を入れていますので、他の記事と合わせまして、お時間のある折にでも、ぜひご一読下さい。
2015/02/02
アメリカン・生・フットボール
ゼミで日本のSuper Bowl中継(NHK・BS1)とアメリカのSuper Bowl中継(NBC)を比較分析する会を実施しました。英語の解説と日本語の解説の違いについて考えつつ、「世界最大のメディア・イベント」の背景にある諸問題について、教員のレクチャーを受けながら考える内容です。国際メディアの比較分析を、楽しみながら実践する課外ゼミの一つと言えます。
オープニングの国歌斉唱の背後にある意味や、フットボールの歴史と「軍事の文化」、ハーフタイム・ショーとブロードウェイミュージカルの関係など、Super Bowlには、現代アメリカについて考える上で良いきっかけとなる様々な「文脈」が織り込まれています。
またSuper Bowlは「世界最大のスポーツ・イベント」や「世界最大の歌謡ショー」であるだけではなく、「世界最大の広告の祭典」でもあり、現代の世界を代表する企業のCMが次々と放映されます。
今年はアメリカの好景気もあって、NBCが売り出した30秒枠のテレビCMの平均販売価格は450万ドル(約5億4千万円)だったらしいです。学生から見ると広告料に見合うCMもあれば、「これで5億4千万円・・」というCMもあったようで、同じ「5億4千万円」の30秒の時間にも、様々な表現の違いが見られたようです。トヨタや日産など日本企業のCMも放映されており、日本で放映されているCMとはだいぶ違う内容に興味津々の様子でした。
下のサイトに一覧が載っていますので、関心のある人はチェックしてみて下さい。
http://www.huffingtonpost.com/news/super-bowl-commercials/
試合の方もレベルの高い接戦で、ハーフタイムショーのケイティ・ペリーとレニー・クラヴィッツの世代を超えた共演に、学生たちも相応に盛り上がっていました。レニー・クラヴィッツも、久々見ると太ったね。
ともかく、このような機会を通して、学生たちに「生のアメリカ文化」を体感しながら、その文化的な魅力とそれが表象する社会的な諸問題について考えてもらえればと思っています。
オープニングの国歌斉唱の背後にある意味や、フットボールの歴史と「軍事の文化」、ハーフタイム・ショーとブロードウェイミュージカルの関係など、Super Bowlには、現代アメリカについて考える上で良いきっかけとなる様々な「文脈」が織り込まれています。
またSuper Bowlは「世界最大のスポーツ・イベント」や「世界最大の歌謡ショー」であるだけではなく、「世界最大の広告の祭典」でもあり、現代の世界を代表する企業のCMが次々と放映されます。
今年はアメリカの好景気もあって、NBCが売り出した30秒枠のテレビCMの平均販売価格は450万ドル(約5億4千万円)だったらしいです。学生から見ると広告料に見合うCMもあれば、「これで5億4千万円・・」というCMもあったようで、同じ「5億4千万円」の30秒の時間にも、様々な表現の違いが見られたようです。トヨタや日産など日本企業のCMも放映されており、日本で放映されているCMとはだいぶ違う内容に興味津々の様子でした。
下のサイトに一覧が載っていますので、関心のある人はチェックしてみて下さい。
http://www.huffingtonpost.com/news/super-bowl-commercials/
試合の方もレベルの高い接戦で、ハーフタイムショーのケイティ・ペリーとレニー・クラヴィッツの世代を超えた共演に、学生たちも相応に盛り上がっていました。レニー・クラヴィッツも、久々見ると太ったね。
ともかく、このような機会を通して、学生たちに「生のアメリカ文化」を体感しながら、その文化的な魅力とそれが表象する社会的な諸問題について考えてもらえればと思っています。
2014/09/03
「未来茅ヶ崎市」政策コンテスト
「未来茅ヶ崎市」政策コンテストにゼミの学生が2チーム出場しました。「人にやさしい観光地 ロボット産業を育てる茅ヶ崎」という発表の方は、予選通過が1位で、決勝の投票では2位でした。全体によい経験になったと思います。発表内容は、未来の茅ヶ崎市について構想したもので、茅ヶ崎市の駅とビーチの間に無人車の走行レーンを作り、車で来なくても車で海沿いを移動できるようにして渋滞を解消するという内容や、津波避難用の駅ビルを作り、屋上から観光用の無人ヘリを飛ばして観光客を集めつつ、無人社や無人ヘリを製造する産業を茅ヶ崎に誘致するといった内容でした。夏休みの宿題も一段落ということで、この調子で、他の宿題も頑張ってほしいものです(笑)
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2014/newstopic55.htm
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2014/newstopic55.htm
2014/04/01
茅ヶ崎市とゼミの情報誌制作 ちがさき春夏秋冬
文教大学情報学部酒井ゼミと茅ヶ崎市で制作した財政情報誌を、茅ヶ崎市のHPで公開しています。市役所で行った発表会の様子についても写真が掲載されています。
文教大学のキャンパスのある茅ヶ崎市と連携して、学生の視点から自治体の財政情報を分かりやすく分析した内容です。大袈裟にいえば、「情報の自治」とGovernment 2.0のコンセプトを実現することを目指したプロジェクトです。市役所では、私の方から、参考事例としてアメリカのマサチューセッツ州やハワイ州などのウェブ・メディアを用いたGovernment 2.0に関する実践例を紹介しました。
財政情報誌は現在も茅ヶ崎市のHPで配布中です。印刷した冊子については、市の公共施設で展示し、一部の施設で配布していましたが、予定部数を配り終わりました。
7月上旬に文教大学情報学部が出展したJapan Expo(@パリ)のブースでも展示・配布し、7月末の東大のエコロジーとデザインに関する学会の講演でも紹介し、好評でした。
下の茅ヶ崎市のHPで21.9メガバイトの冊子を配布しておりますので(紙媒体の配布は終了)、ダウンロードして一読頂けると幸いです。
茅ヶ崎市HP「サザン戦隊チガレンジャーと見る ちがさき春夏秋冬」
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/zaisei/1008506/1008515/1008547.html
文教大学のキャンパスのある茅ヶ崎市と連携して、学生の視点から自治体の財政情報を分かりやすく分析した内容です。大袈裟にいえば、「情報の自治」とGovernment 2.0のコンセプトを実現することを目指したプロジェクトです。市役所では、私の方から、参考事例としてアメリカのマサチューセッツ州やハワイ州などのウェブ・メディアを用いたGovernment 2.0に関する実践例を紹介しました。
財政情報誌は現在も茅ヶ崎市のHPで配布中です。印刷した冊子については、市の公共施設で展示し、一部の施設で配布していましたが、予定部数を配り終わりました。
7月上旬に文教大学情報学部が出展したJapan Expo(@パリ)のブースでも展示・配布し、7月末の東大のエコロジーとデザインに関する学会の講演でも紹介し、好評でした。
下の茅ヶ崎市のHPで21.9メガバイトの冊子を配布しておりますので(紙媒体の配布は終了)、ダウンロードして一読頂けると幸いです。
神奈川新聞での紹介記事
茅ヶ崎市HP「サザン戦隊チガレンジャーと見る ちがさき春夏秋冬」
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/zaisei/1008506/1008515/1008547.html
2014/03/10
女性セブンのインタビュー記事
女性セブン(2月27日号、小学館)のインタビュー記事がウェブ(Yahoo! ニュース)にも掲載されていたことに遅ればせながら気付きました。「クレームだらけニッポン」なぜ、ここまで多い?」という特集で、明日ママの内容とANAとキリンCM自粛とウェブのクレームの関係についての分析です。誌面版の原稿でも話したことが結構使われていました。他の方のコメントを含めて全体に面白い内容でした。
このテーマ関連のウェブネタで新書や批評文を書きたいのですが(すでにそれなりの分量を書いているのですが)、仕事がこないので残念です。以前に新潮45に書いた原稿にもそれなりに反響はあったのですが。。
それはさておき「女性セブン」(3月6日号、小学館)の特集「『ゆとり』10代が日本を変える!」にもコメントしてます。お時間あるときにでもご一読を頂ければ幸いです。
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_magcode?sha=1&sho=2092402114
このテーマ関連のウェブネタで新書や批評文を書きたいのですが(すでにそれなりの分量を書いているのですが)、仕事がこないので残念です。以前に新潮45に書いた原稿にもそれなりに反響はあったのですが。。
それはさておき「女性セブン」(3月6日号、小学館)の特集「『ゆとり』10代が日本を変える!」にもコメントしてます。お時間あるときにでもご一読を頂ければ幸いです。
http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_magcode?sha=1&sho=2092402114
2013/12/23
産経新聞/宮崎駿の「風立ちぬ」コラム
産経新聞の文化欄に、宮崎駿の「風立ちぬ」についてコラムを書きました。堀辰雄の小説の言葉を借りて「行き止まりの先の愉しさ」というタイトルです。ウェブでも読めますので、ぜひご一読下さい。
今年は産経の社会面に書き、文化面に終わる年でした。
【エンタメ回顧 平成25年】宮崎駿監督の引退 「風立ちぬ」 行き止まりの先の生きる愉しさ訴え - MSN産経ニュース
http://www.sankei.com/entertainments/news/131221/ent1312210006-n1.html
今年は産経の社会面に書き、文化面に終わる年でした。
【エンタメ回顧 平成25年】宮崎駿監督の引退 「風立ちぬ」 行き止まりの先の生きる愉しさ訴え - MSN産経ニュース
http://www.sankei.com/entertainments/news/131221/ent1312210006-n1.html
2013/05/18
「新潮45」6月号「特集・反ウェブ論/ネットで人生台無しになった人たち」
新潮45の6月号に「ネットで人生台無しになった人たち」という原稿を書きました。「特集・反ウェブ論」のページに掲載されています。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20130518/
ウェブ上では毎日のように様々な人たちが失言をしては個人情報を曝され、時に仕事を失ったり、改名や引っ越しの必要に迫られるなど、人生の選択肢を制限されています。もちろん脱法行為や不正行為は発見され、責任を追及される必要はありますが、その反面、一度、ウェブ上で非難を集めた人々が、いつまでもウェブ上で個人情報を曝され、誹謗中傷を浴びている現状は異常だと思うのです。
ITライターでワイアード編集長のクリス・アンダーソンは、最新作『メイカーズ』で次のように述べています。IT時代のイノベーションは「もしその製品がインターネットにつながると、なにがどう良くなるか」について考えることからはじまる、と。しかし「社会インフラ」と言えるほどITが普及した現代、私たちは「インターネットにつながると、なにがどう悪くなるか」についても考えた上で、行動する必要に迫られているのではないでしょうか。現代では自分が意識してアクセスした情報だけではなく、自分が気付かないうちに記録された写真や映像からも顔指紋などの生態情報が抽出され、全世界に向けて実名と共に公開されるリスクが高まっているわけです。
他、上記の文章ではグーグル・サジェストの「連想語の暴力」やSNS上の「カミングアウトの暴力」について考察しています。ぜひご一読下さい。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20130518/
ウェブ上では毎日のように様々な人たちが失言をしては個人情報を曝され、時に仕事を失ったり、改名や引っ越しの必要に迫られるなど、人生の選択肢を制限されています。もちろん脱法行為や不正行為は発見され、責任を追及される必要はありますが、その反面、一度、ウェブ上で非難を集めた人々が、いつまでもウェブ上で個人情報を曝され、誹謗中傷を浴びている現状は異常だと思うのです。
ITライターでワイアード編集長のクリス・アンダーソンは、最新作『メイカーズ』で次のように述べています。IT時代のイノベーションは「もしその製品がインターネットにつながると、なにがどう良くなるか」について考えることからはじまる、と。しかし「社会インフラ」と言えるほどITが普及した現代、私たちは「インターネットにつながると、なにがどう悪くなるか」についても考えた上で、行動する必要に迫られているのではないでしょうか。現代では自分が意識してアクセスした情報だけではなく、自分が気付かないうちに記録された写真や映像からも顔指紋などの生態情報が抽出され、全世界に向けて実名と共に公開されるリスクが高まっているわけです。
他、上記の文章ではグーグル・サジェストの「連想語の暴力」やSNS上の「カミングアウトの暴力」について考察しています。ぜひご一読下さい。
2013/04/21
書評/産経新聞・ゲンロンサマリーズ
産経新聞(2013年4月14日、P27)に浅羽通明著『時間ループ物語論 成長しない時代を生きる』の書評を書きました。下のサイトでも読めます。
http://www.sankei.com/life/news/130414/lif1304140011-n1.html
浅羽通明の前著、『昭和三十年代主義 もう成長しない日本』については、以前に「諸君!」に書き、一度、対談(2009年1月号 「『昭和三十年代』は玉子のせチキンラーメンの味がする)もセッティング頂きました。
『昭和三十年代主義 もう成長しない日本』の書評は下で初稿が読めます。
http://wayne80.way-nifty.com/blog/2009/07/post-825c.html
あとゲンロンサマリーズvol. 084(2013年3月27日、東浩紀責任編集メールマガジン)に、杉田敦著『政治的思考』のサマリーと書評を書きました(メルマガ会員限定の配信)。『政治的思考』は『一般意志2.0』と対照的に、闘技的(討議的)民主主義を推奨する本なので、二つの本を読み比べてみると面白いと思います。一般に杉田敦の本は過小評価されているように感じますが、論理的に明晰で、分かりやすく、参照範囲も広く、深みもあり、政治学に何となく興味ある人であれば、買って損はないと思います。
https://shop.genron.co.jp/products/detail.php?product_id=146
http://www.sankei.com/life/news/130414/lif1304140011-n1.html
浅羽通明の前著、『昭和三十年代主義 もう成長しない日本』については、以前に「諸君!」に書き、一度、対談(2009年1月号 「『昭和三十年代』は玉子のせチキンラーメンの味がする)もセッティング頂きました。
『昭和三十年代主義 もう成長しない日本』の書評は下で初稿が読めます。
http://wayne80.way-nifty.com/blog/2009/07/post-825c.html
あとゲンロンサマリーズvol. 084(2013年3月27日、東浩紀責任編集メールマガジン)に、杉田敦著『政治的思考』のサマリーと書評を書きました(メルマガ会員限定の配信)。『政治的思考』は『一般意志2.0』と対照的に、闘技的(討議的)民主主義を推奨する本なので、二つの本を読み比べてみると面白いと思います。一般に杉田敦の本は過小評価されているように感じますが、論理的に明晰で、分かりやすく、参照範囲も広く、深みもあり、政治学に何となく興味ある人であれば、買って損はないと思います。
https://shop.genron.co.jp/products/detail.php?product_id=146
2013/01/18
「新潮45」2月号・安倍新政権「海図なき航海」―海外メディアはどう見ているか
新潮45の2月号に、安倍新政権「海図なき航海」―海外メディアはどう見ているか、という原稿を書きました。特集の欄に掲載されています。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20130118/
「日本を、取り戻す」というスローガンを掲げて安倍晋三率いる自民党が権力の座に返り咲いて、ひと月余りが経過しました。日銀を仮想敵として「金融緩和の必要性」を訴えた選挙キャンペーンは有権者の心をつかみ、ひと月ほどの間に円安が進み、「株価を、少し取り戻す」ことに成功したと言えます。
ただ三・一一の震災と核被害を経験してもなお、脱原発から原発推進へと舵が切られたり、特別会計の事業仕分けが進まないまま、一〇年で二〇〇兆の「国土強靱化・ニューディール政策」が打ち出されるなど、現状は「日本の何を、取り戻す」のかよく分からない迷走状態にあるとも言えます。
この原稿では、伝統的に自民党に優しい日本のメディアとは異なる、海外メディアの報道内容を参考にしながら、「危機突破」というより「危機突入」状態にある現状の日本について多角的な分析を試みました。
先の衆議院選挙に関する海外メディア報道の紹介は、雑誌やテレビでもちらほらとやっていましたが、私の原稿は、多くの新聞記事を参照していますので(国会図書館などで30強の新聞記事に目を通しました)、相対的にバイアスが少なく、情報分析の網羅範囲が広いと思います。年末年始に労力をかけた原稿ですので、ぜひご一読頂ければと思います。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20130118/
「日本を、取り戻す」というスローガンを掲げて安倍晋三率いる自民党が権力の座に返り咲いて、ひと月余りが経過しました。日銀を仮想敵として「金融緩和の必要性」を訴えた選挙キャンペーンは有権者の心をつかみ、ひと月ほどの間に円安が進み、「株価を、少し取り戻す」ことに成功したと言えます。
ただ三・一一の震災と核被害を経験してもなお、脱原発から原発推進へと舵が切られたり、特別会計の事業仕分けが進まないまま、一〇年で二〇〇兆の「国土強靱化・ニューディール政策」が打ち出されるなど、現状は「日本の何を、取り戻す」のかよく分からない迷走状態にあるとも言えます。
この原稿では、伝統的に自民党に優しい日本のメディアとは異なる、海外メディアの報道内容を参考にしながら、「危機突破」というより「危機突入」状態にある現状の日本について多角的な分析を試みました。
先の衆議院選挙に関する海外メディア報道の紹介は、雑誌やテレビでもちらほらとやっていましたが、私の原稿は、多くの新聞記事を参照していますので(国会図書館などで30強の新聞記事に目を通しました)、相対的にバイアスが少なく、情報分析の網羅範囲が広いと思います。年末年始に労力をかけた原稿ですので、ぜひご一読頂ければと思います。
登録:
投稿 (Atom)