2022/07/10

「文學界」(2022年8月号)

  文藝春秋の文芸誌「文學界」(2022年8月号)の特集「入門書の愉しみ」に、「ハンナ・アーレント 理解への第一歩は人生を知ること」を寄稿しました。難解と言われることの多いアーレントの著作について、その複雑な人生に着目して論じた批評文です。

 カントが生涯を過ごしたケーニヒスベルクのユダヤ人の共同体で育ち、ハイデガー、ヤスパースの影響を受け、ナチ党の台頭でパリを経てニューヨークに渡り、The New Yorkerに『エルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』を記し、多くの友人を失った彼女の人生について、短文で書き切れないものごとに思いを馳せながら、書きました。

 千葉雅也さんの『現代思想入門』がベストセラーになったことを受けての特集で、興味深い論考が並んでいますので、ぜひご一読ください。

https://www.bunshun.co.jp/business/bungakukai/backnumber.html?itemid=692&dispmid=587