2013/05/18

「新潮45」6月号「特集・反ウェブ論/ネットで人生台無しになった人たち」

新潮45の6月号に「ネットで人生台無しになった人たち」という原稿を書きました。「特集・反ウェブ論」のページに掲載されています。

http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20130518/

ウェブ上では毎日のように様々な人たちが失言をしては個人情報を曝され、時に仕事を失ったり、改名や引っ越しの必要に迫られるなど、人生の選択肢を制限されています。もちろん脱法行為や不正行為は発見され、責任を追及される必要はありますが、その反面、一度、ウェブ上で非難を集めた人々が、いつまでもウェブ上で個人情報を曝され、誹謗中傷を浴びている現状は異常だと思うのです。

ITライターでワイアード編集長のクリス・アンダーソンは、最新作『メイカーズ』で次のように述べています。IT時代のイノベーションは「もしその製品がインターネットにつながると、なにがどう良くなるか」について考えることからはじまる、と。しかし「社会インフラ」と言えるほどITが普及した現代、私たちは「インターネットにつながると、なにがどう悪くなるか」についても考えた上で、行動する必要に迫られているのではないでしょうか。現代では自分が意識してアクセスした情報だけではなく、自分が気付かないうちに記録された写真や映像からも顔指紋などの生態情報が抽出され、全世界に向けて実名と共に公開されるリスクが高まっているわけです。

他、上記の文章ではグーグル・サジェストの「連想語の暴力」やSNS上の「カミングアウトの暴力」について考察しています。ぜひご一読下さい。