2024/02/18

共同利用・共同研究拠点「問題複合体を対象とするデジタルアース」 2023年度・成果報告会

 2024年3月5日に共同利用・共同研究拠点「問題複合体を対象とするデジタルアース」(中部大学)の成果報告会でオンライン発表を行います。年に一度の情報系・理工系の先生方との研究報告会です。表題は「新型コロナウイルスによる欧州のメディア報道の比較分析と地理空間上の分布に関する研究」です。今年度の発表内容は、下で公開されている2021年度の報告書の内容を、時間軸と解析・分析のデータサンプル数を拡げ、国際比較した内容です。

http://gis.chubu.ac.jp/wp_data/wp-content/uploads/2023/04/202103.pdf

 今年は解析結果のグラフだけではなく、EsriのArkGIS上で地理空間上の分布もマップとして出力します。久しぶりにArkGISを使いましたが、以前のバージョンよりグラフィックが向上していて、操作感も良かったです。本研究は新聞記事データベースの利用規約に準拠し、人手でメタデータを作成した上で、メタデータに対して解析を加えています。

 この研究は慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所(現・グローバルリサーチインスティチュート)で共同通信社外信部などと共同研究していた頃からの知見の蓄積の上で、英字ニュース及び日本語のニュースを時系列に即して解析・分析した内容です。任期付きの助教時代は苦労もありましたが、三田の東館と汐留の共同通信とSFCのゼータ館の3か所に研究室があり、学際的なプロジェクトを通して色々な経験ができたのが良かったです。Europe Media Monitorを開発・運営していたEuropean CommissionのJoint Research Centre@Ispraに行けなかったのが、少しだけ心残り。Europe Media Monitorは、ローカルニュースのアグリゲーションサイトの先駆けでした。

 この研究を通して、初年度のゼミ生にメタデータの作成をアルバイトとして手伝ってもらい、希望する大学院に進学できたので良かったと思います。人が育つのが一番。

中部大学国際GISセンター

http://gis.chubu.ac.jp/





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 Super Bowl LVIII、いい試合でした。テイラー・スウィフト効果で、視聴率が約10%上がり、アメリカの歴代視聴率記録を更新(ニールセンの調査で、CBSの平均視聴者数が1億2030万人だったそう)。私も含めDAZNのNFL GAME PASSで視聴している人も多いと思うので、ネット視聴も入れるとメディアイベントとして大成功だったと思います。ハーフタイムショーはPepsiからAppleにスポンサーが変わってから、うーんという感じですが、前座のポスト・マローンが良かったです。

Post Malone Sings America the Beautiful at Super Bowl LVIII

 マホームズの3回目のSB勝利でカンザス・シティーの時代ですが、49ersのパーディも3番手のQBからスターターに昇格してわずか1年でマホームズと競り合ったのは、すごいと思いました。パーディーの実家がアリゾナで、父親が息子の試合を見ながら泣くような好人物ですが(私も息子がパーディーだったら泣いてしまう)、父親が昔の写真でレイダースのユニフォームを着ていたので、「ブラック・ホール」に呪われたのかも知れません。確かにアル・デービスがGMだった頃のレイダースは良かった(オークランドの治安は悪かったけど)。西海岸(特にベイエリア)でレイダースを応援していると、「Why?」とか「What's the matter with you?」とか言われるので、注意が必要です。

NFL Super Bowl LVIII Mic'd Up, "I want back to back to back" | Game Day All Access

 MicrosoftやAmazonがスポンサーに入ってしばらく経ちますが、フィールド上の細かな情報がデータ化されてきた点も、試合内容に生きていると感じました。プレイコールやターゲット、距離や天候などの条件に応じたパスの成功率や、QBがパスを投げるまでの速度、各プレー毎のディフェンスのカバレッジなど、様々なデータの解析結果がチームにフィードバックされ、チームスポーツとしてレベルが向上しています。各選手が身に付けたセンサーを通して健康状態を解析しているのもすごい。

Powering the Next Generation of NFL Player Safety | Amazon Web Services

 今年のSBは、ヘッドコーチのアンディ・リード(日本では「NFLの安西先生」として有名)の試合の組み立てが上手く、前半の失敗を後半で修正し、終盤に危なげなく逆転した点が見事でした。リードの年俸が1200万ドルというのも納得。そもそもマホームズをドラフトした時の判断が素晴らしく、QBにアレックス・スミスがいる状況で、2017年の1巡と3巡、2018年の1巡を交換条件として、確実にマホームズを獲得したのが偉かったと思います。
 今年のSBのハイライトは、前半にケルシーが「もっと俺を使え」とリードに詰め寄ったシーンだったと思います。ニュース速報にもなり、チーフスに暗雲が垂れこめましたが、アンディ・リードは完全スルー。前半はケルシーにわずか1回のレシーブしか与えず、後半はデータの裏を突くプレーコールを連発し、ケルシーに注意が集っている状況を逆用したプレーで、タッチダウンを2つ獲り、勝利。

Chiefs Coach Andy Reid Responds After HEATED Travis Kelce Super Bowl Moment

 新しい時代にふさわしいカンザスシティーのフットボールがこれからも楽しみです。CBSの中継では、選手の家族にフォーカスした映像が良かったです(ラスベガス、シザーズ・パレスに、色々な意味で縁のあるフランク・シナトラを登場させる演出。「ゴッドファーザー2」の世界観で、このCBSの演出は粋でした)。

SUPER BOWL TEASE: CBS Sports Presents Super Bowl LVIII — 49ers vs. Chiefs