2024/05/04

ゲンロン「松本清張を発掘せよ」2024年6月2日

 ゲンロンカフェで原武史先生と與那覇潤先生と「松本清張を発掘せよ」というトークイベントを行います(2024年6月2日・日曜日15:00~)。ゲンロンの説明文の通り、原先生は松本清張研究の第一人者で、『「松本清張」で読む昭和史』や『松本清張の「遺言」』などの素晴らしい著作があります。與那覇さんは、最新作の『危機のいま古典をよむ』で清張の「実感的人生論」について論じており、『平成史』だけではなく、昭和史にも造詣が深く、お二方との議論は表題に相応しいディープなものになると思います。

 今回のイベントでは『点と線』『ゼロの焦点』『日本の黒い霧』『砂の器』『昭和史発掘 2・26事件』『神々の乱心』を中心に取り上げます。清張の昭和史系の大作と長編の代表作を網羅した重量級のラインアップで、入念な準備をしつつ、楽しみにしています。日曜のお昼の開催で参加しやすいかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。昨年の司馬遼太郎のイベントも好評でした。

https://genron-cafe.jp/event/20240602/


 2024年6月1日・土曜日は14時から、松本清張記念館の第47回松本清張研究会(東京学芸大学)で講演を行います。表題は「清張作品の「謎」と「秘密」に迫る ― 『松本清張はよみがえる』を手引きに」です。ゲンロンとは異なるメディア史研究寄りの視点から、『松本清張はよみがえる』で参照した講演録、全集所収の自作論・月報・エッセイ、『半生の記』(「文藝」初出の「回想的自叙伝」を含む)などの資料をもとにした話をしながら、過去の「松本清張研究」の成果(創刊号~第二十四号、記念館図録など)に敬意を示しつつ、批評の方法論、作家としての生き方、生の題材を扱う「ジャーナリスト」としての松本清張の価値などについてお話する予定です。

https://x.gd/g9GZ1

 西日本新聞の新連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」は、6月9日スタートの予定です。作品の舞台となった場所に着目した批評文の連載です。掲載頻度は前の連載よりも緩やかで月に1~2回の予定です。『松本清張はよみがえる』(西日本新聞社、2024年)も好評販売中です。

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 ChatGPT 4oについて、Excelでニュースのメタデータを読み込ませて、自然言語解析を指示すると、英語はPythonの正規表現で、日本語はJanomeで解析して、細かい指示を出すと、編集次第で使えそうなデータが出力されました。表記のゆらぎや固有名詞(proper noun)の判別は限界がありますが、学習データを得られれば、将来的に改善しそう。マッピングについては、私の研究用途ではいまいちですが、Python-GeoPandasを使って頑張っている感じがしました。描画やグラフ作成の精度もGPT-4よりも上がった印象。メタデータの作成と指示文章の工夫次第で、将来的に個人研究の幅が広がりそう。