2024/04/26

新潮社「考える人」の連載「たいせつな本」で松本清張の代表作10冊を紹介しました

 新潮社の「考える人」の連載「たいせつな本 ―とっておきの10冊―」の20回目を私が担当しました。表題は「松本清張はよみがえる!「嫉妬」と「格差」の時代を生き抜くための10冊」です。清張作品のベスト10を新潮文庫を中心に紹介していますが、『無宿人別帳』『球形の荒野』『Dの複合』を挙げているのは、過去の清張作品の評者と比べても、珍しいかも知れません。お時間がありましたら、ぜひご一読頂ければ幸いです。

https://kangaeruhito.jp/article/758925

 プロフィール欄に掲載の通り、2024年6月より西日本新聞で、新連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」(仮題)を担当予定です。こちらの詳細はまた後日。『松本清張はよみがえる 国民作家の名作の旅』関連では、週刊読書人の5月3日号(4月26日合併)に「著者から読者へ」の原稿が掲載されました。あとは母校の雑誌(発行部数が2万と知り、雑誌不況の中、驚きました)と、近々、新聞の取材記事が出る予定です。

2024/04/06

新刊『松本清張はよみがえる 国民作家の名作への旅』好評発売中

 『松本清張はよみがえる 国民作家の名作への旅』(西日本新聞社)の販売がはじまりました。松本清張の代表作と共に、その人柄や生き様を紹介しつつ、ガイドブックとしての網羅性と、年代記としての歴史性の双方を意識した内容です。

 初日から楽天ブックスで完売するなど、好調なスタートでした。都内の大型書店では、注目書の棚を含めて面陳列×2か所で販売を頂いていました。同時期に発売された保坂正康さんの『松本清張の昭和史』と並べて頂き、有難いです。ミステリの棚にも置いて頂き、平積みでご販売頂ける書店さんが徐々に増えているのも、嬉しい限りです。

 西日本新聞朝刊(2024年3月9日)で取り上げて頂きました。早川書房の「ミステリマガジン」(2024年5月号)で嵩平何さんにご紹介を頂きました。Newsweek日本版(2024年4月5日)の「シリーズ日本発見」に紹介記事が掲載され、Yahoo!ニュースにも転載されました。新潮社の「考える人」の連載「たいせつな本 ―とっておきの10冊―」でも『松本清張はよみがえる』を紹介しました。

Newsweek日本版

https://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2024/04/492577.php

Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/285d18ba948663f1515b6f5aacd3d5d2e421c815

新潮社「考える人」

https://kangaeruhito.jp/article/758925

 2024年6月より西日本新聞で、新連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」(仮題)を担当予定です。あと週刊読書人の5月3日号(4月26日合併)に「著者から読者へ」の原稿が掲載されました。母校の雑誌(発行部数が2万と知り、雑誌不況の中、驚きました)と、近々、新聞の取材記事が出る予定です。清張研究会の講演とゲンロンの鼎談の準備も行っています。




 吉田ヂロウさんの楽しいイラストや地図も入り、過去の松本清張関連の本と異なる視点から、文芸批評とメディア史研究の間で、企図したテーマや方法を展開できた感じがしています。昨年の講演でも紹介した、P11やP183、P205の写真など、西日本新聞社蔵の松本清張の貴重な写真も使用しています。連載時から本文以外は西日本新聞の担当デスク・記者にお任せしていましたが、連載に加筆して1.8倍ほどの分量になりました。





 高度経済成長期に発表された作品を主として取り上げていますが、ジャーナリズムや古代史への関心が垣間見える作品や、映像作品と共にメディア史に大きな足跡を残した作品も取り上げています。能登半島を舞台にした『ゼロの焦点』や、鉄道旅行ブームを先どった『点と線』、戦前戦後の小倉を舞台にした自伝的な作品などを通して、旅情や土地の記憶が伝われば、嬉しいです。

 この本をもとに、講演を行いました。西日本新聞社の主催で、2024年3月25日に、天神の久留米大学福岡サテライト(博多大丸6F、西日本新聞社隣)で清張記念館の学芸担当主任の中川さんと「松本清張の九州北部を中心とした作品の魅力」に迫る講演を行いました。小雨の中、多くの方々にご来場を頂き、非常に楽しい時間を過ごすことができました。この講演については、4月10日に西日本新聞に記事が出ました。

本紙連載「松本清張はよみがえる」書籍化 格差、嫉妬、生きづらさ…現代に通じる

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1199085/

 6月1日(土)には、東京で開催される松本清張研究会(@東京学芸大学)で清張作品の系譜と、現代の文脈で再評価する上での要点について、講演を行う予定です。ゲンロンでもイベントを実施する予定です(こちらの詳細は後日)。

版元ドットコム


 前作の『現代文学風土記』は多くの図書館に配架を頂き、ビブリオバトルなど図書館のイベントでご使用を頂きました。本作も書籍メディアとして教育的な利用を意図して製作していますので、様々な場でご活用頂けるかと思います。フリガナも多く、中高生や留学生向けの読書入門書としてもお勧めです。執筆の意図や清張作品の現代的な解釈、メディア史的な価値についても、講演などの機会にお話をしていきたいと思います。








2024/04/05

Newsweek日本版に『松本清張はよみがえる』の記事が掲載されました

 Newsweek日本版(2024年4月5日)の「シリーズ日本発見」に『松本清張はよみがえる』の記事が掲載され、Yahoo!ニュースにも転載されました。『松本清張はよみがえる 国民作家の名作への旅』(西日本新聞社 )より「はじめに」を一部抜粋した内容(表題やリード文は編集部作成)です。

 なぜ私たちは松本清張に励まされるのか?...41歳でデビューした作家が描いた「不公平な時代」を生きる人間のまがまがしい魅力

https://www.newsweekjapan.jp/nippon/season2/2024/04/492577.php

Yahoo!ニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/285d18ba948663f1515b6f5aacd3d5d2e421c815

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「虎に翼」を観ていたら、プロデューサーがNHKの石澤かおるさんで、2020年の秋学期に、英語のジャーナリズムのゲスト講義で、お話しを頂いていました。その時は「あさイチ」や日本の美容番組の海外輸出の話が中心でしたが、細やかな配慮の行き届いた、カラフルな番組作りが印象的で、「虎に翼」のキャスティングや演出にも、石澤さんの個性が出ていると感じています。韓非子から採った表題も上手いです。イントロのアニメーションも鮮やかで、市井の人々の描き方に、朝ドラとして新しさを感じています。個人的には、三淵嘉子が戦争で書生の夫や両親を亡くした後、再起をはかる姿や、判事として活躍の場を切り開いていく姿(原爆裁判や家庭裁判)をどう描くのか、楽しみにしています。歳をとると、物語よりも時代考証に関心が向いてしまいますが、それも映像を観る楽しみですね。