2024/12/16

北海道新聞・西日本新聞 円城塔『コード・ブッダ』書評

 北海道新聞(2024年12月15日)に円城塔さんの『コード・ブッダ』の書評を寄稿しました。担当記者が付けたタイトルは「AIと信仰 禍々しい魅力」です。本作は、チャットボットを模した文体で、信仰の起源と未来を同時に問いながら、作品の全体が「機械仏教の教典」のようになっている点が良いと思いました。作品の外部性に着目した内容です。文芸誌連載の「純文学」らしい作品で、「現代的な信仰」をテーマとした小説が、個人的に好きなのだと思います。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1101102/


 直木賞の候補作が発表になり、過去の直木賞対談(西日本新聞)で高く評価した作家では、伊与原新さんと朝倉かすみさんの新作がノミネートされています。家族で長崎に帰省しながら、5作を読むのを楽しみにしています(娘が電車が好きなので、片道8時間、途中下車の旅)。

「松本清張がゆく 西日本の旅路」は年内はあと一回(第11回)の掲載で、松本清張記念館の「松本清張研究」にも25枚ほど寄稿しました。「ユリイカ」の総特集・福田和也は12月27日発売で、論考30枚、解題20枚、著作一覧15枚を寄稿しました。3080円の分厚さで、他の著者の原稿を読むのを楽しみにしています。(私は福田和也の「信仰」について書きました。「文學界」の追悼文から、もう一歩、際どいところに踏み込んだ内容です)

http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3999

 書籍の企画が無事通り、半年ほどかけてゆっくりと取り組むのですが、年内に一章を書き切れるかどうか。今年の仕事のたな卸しをしながら、来年の仕事の見通しを付けたいところ。

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 西日本新聞朝刊(2025年1月11日)にも、北海道新聞に寄稿した円城塔さんの『コード・ブッダ』の書評が掲載されました。北海道新聞と西日本新聞の契約に基づく転載です。