「新潮45」11月号に、バーチャル空間で過熱する「反日感情」、という原稿を書きました。特集の欄に掲載されています。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho45/backnumber/20121018/
共同通信によると、9月に中国各地で起きたデモは、125都市で100万人近くを集め、日本でも様々な分析がなされてきました。ただ中国固有のネット文化との関わりで、今回のデモを分析した記事は皆無に近かったと思います。この原稿は中国の検閲事情と、若い世代のネット文化、都市近郊の若者の生活事情などを踏まえた上で、先の反日デモについて分析した論考です。
すでに中国の現在のネット人口は、2012年6月の時点で、5億3760万人います。今年と同様に大規模な反日デモが起きた2005年から、7年間で5倍以上に増加し、増加分の大半は若い利用者です。そして今回の反日デモに参加した人々は、ネットの利用頻度の高い10代後半から30代で、2011年8月に起きたロンドン暴動と同様に、インスタント・メッセンジャー経由で集まった若者が、デモの拡大に大きな役割を果たしています。
ネットとインスタント・メッセンジャーの普及を抜きに、今回の「反日デモ」は語れないと思うのですが、いかがでしょうか。このあたりの詳細は本文で。