2017/03/06

文學界に「吉田修一論 現代文学の風土」(前編)を寄稿しました

文藝春秋の「文學界」2017年4月号に、「吉田修一論 現代文学の風土」(前編)を寄稿しました。吉田修一の作品について、他の文学作品と比較しながら、その「風土」に着目して論じています。

吉田修一さんは長崎南高校の先輩にあたる人で、生まれ育った場所がほぼ同じということもあり、「ネイティブ」らしい視点から論を展開しています。以前にも「10年代の入り口で 文學界2010」という特集で長めの批評文を書きましたが、今回は更に長く、前編・後編の合計で約420枚の分量があります。

文學界 最新号目次  *冒頭部分のみ立ち読みもできます。

前編で吉田作品と比較するのは、江藤淳・開高健・川端康成・丸山明宏(美輪明宏)・シーボルト・夏目漱石などで、朝日新聞で連載中の「国宝」にも少し触れています。「国宝」は1960年代を生きる人物とその風景の描写が生き生きとしていて、読み応えがあり、映画版の期待も高そうです。束芋のイラストも『悪人』と同様に素晴らしいですね。

吉田作品に馴染みがなくとも、作品から独立した作品として読めますので、ぜひ手にとってみてください。
「文學界」は日本を代表する文芸誌で、様々な書き手の文章が掲載されていますので、他の小説や評論と合わせてご一読頂ければ幸いです。