2015/03/07

Oxfordとチャーチル

University of OxfordのSt Anne's Collegeの国際学会で、震災から4年弱の間のメディア報道の分析に関する発表を行ってきました。未だに原発事故は国際的な関心が根強く、現在進行形の問題であると、発表後の議論を通して改めて実感しました。写真はOxford近郊のチャーチルの家の前です。個人的にはスターリンと組んだチャーチルは嫌いですが、原子爆弾だけではなく、ソ連の南下が日本の無条件降伏に至らした原因であることを考えると、一流の政治家は大衆的な嫌悪を超えた存在とも思いますね。


2015/02/25

堅気の講習会

ゼミ合宿最終日、大阪の梅田駅近くの三省堂・大阪支社で、エリアマネージャーの山本真哉氏にスペシャル講義を頂きました。
山本氏は私の高校の同級生で、長崎の五島列島の自然と高校のラグビーと大学と社会人のアメフトで鍛えた北斗の拳のような体格ながら、「三省堂の辞書」のように言葉遣いが正確なインテリ社員です。
写真だけをみると、およそ堅気の講習会には見えませんが、学校の教科書の編集や流通のフロー、学校教材のデジタル化の現状など、教科書を出版している三省堂らしい充実した内容で、学生からの質疑応答も20を超える約2時間の白熱講義でした。
長崎の同級生に、ゼミの教育活動に関わってもらえて、打ち上げで行ったおでん屋のダシが身にしみる感慨深い一日でした。



2015/02/02

アメリカン・生・フットボール

ゼミで日本のSuper Bowl中継(NHK・BS1)とアメリカのSuper Bowl中継(NBC)を比較分析する会を実施しました。英語の解説と日本語の解説の違いについて考えつつ、「世界最大のメディア・イベント」の背景にある諸問題について、教員のレクチャーを受けながら考える内容です。国際メディアの比較分析を、楽しみながら実践する課外ゼミの一つと言えます。




オープニングの国歌斉唱の背後にある意味や、フットボールの歴史と「軍事の文化」、ハーフタイム・ショーとブロードウェイミュージカルの関係など、Super Bowlには、現代アメリカについて考える上で良いきっかけとなる様々な「文脈」が織り込まれています。
またSuper Bowlは「世界最大のスポーツ・イベント」や「世界最大の歌謡ショー」であるだけではなく、「世界最大の広告の祭典」でもあり、現代の世界を代表する企業のCMが次々と放映されます。

今年はアメリカの好景気もあって、NBCが売り出した30秒枠のテレビCMの平均販売価格は450万ドル(約5億4千万円)だったらしいです。学生から見ると広告料に見合うCMもあれば、「これで5億4千万円・・」というCMもあったようで、同じ「5億4千万円」の30秒の時間にも、様々な表現の違いが見られたようです。トヨタや日産など日本企業のCMも放映されており、日本で放映されているCMとはだいぶ違う内容に興味津々の様子でした。
下のサイトに一覧が載っていますので、関心のある人はチェックしてみて下さい。
http://www.huffingtonpost.com/news/super-bowl-commercials/

試合の方もレベルの高い接戦で、ハーフタイムショーのケイティ・ペリーとレニー・クラヴィッツの世代を超えた共演に、学生たちも相応に盛り上がっていました。レニー・クラヴィッツも、久々見ると太ったね。


ともかく、このような機会を通して、学生たちに「生のアメリカ文化」を体感しながら、その文化的な魅力とそれが表象する社会的な諸問題について考えてもらえればと思っています。



2014/10/26

マニラとジプニー

マニラに来ました。8ペソ半(約20円)で乗れるジプニーが、何かと便利です。車内での窃盗はよくあるらしいですが、注意しておけば何ら問題なかったです。
米軍払い下げのジープを改造して使ってたのは昔の話で、今はいすゞのエンジンと足回りの上にフィリピン製のボディーが乗って160万位だとか。 駐車場が広くて金があるなら家にも欲しいです。
写真のジプニーでは、運転手のお父さんの隣に家族が乗り込んで、子供がお金を回収しています(学校に行ってるのかは謎)。一見すると微笑ましい光景ですが、突っ込んだ話を聞いてみると、ジプニーは走るルート毎に市から許可が必要で、その権利は個人のものというよりは金持ちの利権になっているので、運転手は高い権利料を払って運転せねばならず、生活はだいぶ大変なのだとか。


ジプニーに限らずフィリピンでは最低賃金で働いている人が人口のかなりの部分を占めるので(最低賃金ですら働けない人も多くいるので)、貧富の格差が他の東南アジアの国と比べて大きいと実感します。
ただ乗り物としてジプニーが面白いことに変わりは無いので、日本でも湘南台と大学の間とかで運行すると儲かりそう、と一瞬思いましたが、クッションが無いに等しいため、事故ると大量の死者が出そうなのと、オープンエアーのため排気ガスがものすごいのと、日本人の体格では多くは乗れなさそうなのとで、やはり日本では味わうことのできないような、今なお現役のフィリピンの観光資源なのだと実感しました。

2014/09/22

大槌、仙台、福島民報

岩手県の大槌町と仙台で2泊3日のゼミ合宿に行ってきました。大槌新聞の菊池さんの案内で、移転した大槌町役場と、災害FMでレクチャーを頂き、大槌祭りの山車と獅子舞と子供たちの踊りを、特別に宿泊した小川旅館の前で披露して頂きました。
3年前にボランティアで来た時の記憶が、祭りの賑わいと子供たちの踊る姿に重なり、感慨深い夜でした。
菊池さんから大槌新聞の立ち上げに関する熱い話と、朝日新聞の東野編集委員から被災地のローカル紙の歴史に関する内容盛りだくさんのレクチャーを頂き、学生と共に復興の意味の重さについて改めて考えさせられました。
仙台ではゼミのOBで福島民報の広告部で働く、広報学科の期待のOB、遠藤君と合流し、野球観戦の後、学生に熱いアドバイスをもらいながら終電まで飲みました。全体として様々なゲストから学ぶことが多く、充実したゼミ合宿でした。手助け頂いた方々に多謝です。




2014/09/03

「未来茅ヶ崎市」政策コンテスト

「未来茅ヶ崎市」政策コンテストにゼミの学生が2チーム出場しました。「人にやさしい観光地 ロボット産業を育てる茅ヶ崎」という発表の方は、予選通過が1位で、決勝の投票では2位でした。全体によい経験になったと思います。発表内容は、未来の茅ヶ崎市について構想したもので、茅ヶ崎市の駅とビーチの間に無人車の走行レーンを作り、車で来なくても車で海沿いを移動できるようにして渋滞を解消するという内容や、津波避難用の駅ビルを作り、屋上から観光用の無人ヘリを飛ばして観光客を集めつつ、無人社や無人ヘリを製造する産業を茅ヶ崎に誘致するといった内容でした。夏休みの宿題も一段落ということで、この調子で、他の宿題も頑張ってほしいものです(笑)
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2014/newstopic55.htm



2014/07/07

Japan Expoとヨーロッパのおたく文化

パリで開催されたJapan Expoに、文教大学情報学部でブースを出しました。ゼミと茅ヶ崎市で制作したチガレンジャーの冊子も紹介しまして好評でした。
持参した冊子が予定時間よりも早く配布がおわり、会場は添付の写真のような様子でした。他の3DやCGなどの展示も大人気で、近くの楽天のブースの乃木坂46よりも文教大学のブースの方が客が入っていましたね。
全体の来場者は2013年が23万人で、今年が25万人の予想で、思ったよりも遙かに大きなイベントでした。ヨーロッパでの日本のサブカル人気を体感するには絶好の機会なので、いつか志願した学生も連れてきたいと考えています。




2014/04/01

茅ヶ崎市とゼミの情報誌制作 ちがさき春夏秋冬

文教大学情報学部酒井ゼミと茅ヶ崎市で制作した財政情報誌を、茅ヶ崎市のHPで公開しています。市役所で行った発表会の様子についても写真が掲載されています。

文教大学のキャンパスのある茅ヶ崎市と連携して、学生の視点から自治体の財政情報を分かりやすく分析した内容です。大袈裟にいえば、「情報の自治」とGovernment 2.0のコンセプトを実現することを目指したプロジェクトです。市役所では、私の方から、参考事例としてアメリカのマサチューセッツ州やハワイ州などのウェブ・メディアを用いたGovernment 2.0に関する実践例を紹介しました。

財政情報誌は現在も茅ヶ崎市のHPで配布中です。印刷した冊子については、市の公共施設で展示し、一部の施設で配布していましたが、予定部数を配り終わりました。
7月上旬に文教大学情報学部が出展したJapan Expo(@パリ)のブースでも展示・配布し、7月末の東大のエコロジーとデザインに関する学会の講演でも紹介し、好評でした。
下の茅ヶ崎市のHPで21.9メガバイトの冊子を配布しておりますので(紙媒体の配布は終了)、ダウンロードして一読頂けると幸いです。

神奈川新聞での紹介記事

茅ヶ崎市HP「サザン戦隊チガレンジャーと見る ちがさき春夏秋冬」
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/zaisei/1008506/1008515/1008547.html




2014/03/10

女性セブンのインタビュー記事

女性セブン(2月27日号、小学館)のインタビュー記事がウェブ(Yahoo! ニュース)にも掲載されていたことに遅ればせながら気付きました。「クレームだらけニッポン」なぜ、ここまで多い?」という特集で、明日ママの内容とANAとキリンCM自粛とウェブのクレームの関係についての分析です。誌面版の原稿でも話したことが結構使われていました。他の方のコメントを含めて全体に面白い内容でした。

このテーマ関連のウェブネタで新書や批評文を書きたいのですが(すでにそれなりの分量を書いているのですが)、仕事がこないので残念です。以前に新潮45に書いた原稿にもそれなりに反響はあったのですが。。
それはさておき「女性セブン」(3月6日号、小学館)の特集「『ゆとり』10代が日本を変える!」にもコメントしてます。お時間あるときにでもご一読を頂ければ幸いです。

http://www.bookshop-ps.com/bsp/bsp_magcode?sha=1&sho=2092402114



2014/02/22

板門店と戦後史

板門店に来ました。韓国軍の兵士と私が立っているのは北朝鮮側です。軍事停戦委員会の本会議場内でのみ、軍事境界線を越えて北朝鮮側に渡ることができます。板門店は韓国兵と北朝鮮兵が相互に双眼鏡と監視カメラで監視しているので緊張感があります。非武装中立地帯といいながら、皆が皆、重武装しており、韓国兵は直ぐに銃が撃てるように、腰の位置に手を浮かせた「テコンドーポーズ」をとっています。過去に数度、板門店で銃撃戦があり、死人が出ていることを考えれば無理もないのかも知れません。ソウルからわずか80キロの場所に、未だに冷戦下の「停戦」の緊張感が漂っていて、韓国が日本と異なる戦後史を歩んできたことを実感しました。