2022/06/27

『現代文学風土記』カラー広告

  西日本新聞(2022年6月27日)のテレビ欄に『現代文学風土記』のカラー広告をご掲載頂きました。文芸批評本の広告としては珍しく、良い形で拙著をPRして頂き、誠にありがとうございます。金子恵さんの表紙と裏表紙のイラストが混ざったいい感じのデザインです。広告の通り、夏休みの読書感想文の教材としても、ぜひご活用を頂ければ幸いです。


 11冊を配架頂いた東京都の大田区立図書館をはじめ、様々な場所の図書館にご購入を頂き、ありがとうございます。先週末は北海道新聞でもご紹介頂きました。 

 little by littleで次の仕事の準備をしつつ、7月は5日に宇野常寛さん司会の「遅いインターネット会議」で『現代文学風土記』のコンセプトについてお話をし、7日発売の「文學界」にハンナ・アーレントについての短文が掲載される予定です。19日前後に恒例の西田藍さんとの直木賞予想対談(西日本新聞)が掲載されます(今回も良い候補作が並んでいます)。8月開始予定の新連載についても、ご期待頂ければ幸いです。

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 Bloggerの背景の動作が不安定なため、シンプルなデザインに変更しました。Googleはこのサービスをアップグレードする気はなさそうですが、自動翻訳を付けられるのが便利なので当面は現状維持という感じです。

2022/06/20

カルチャー誌「フリースタイル」(52号 2022年6月25日)で『現代文学風土記』をご紹介いただきました

 カルチャー誌「フリースタイル」(52号 2022年6月25日)で早稲田大学の小沼純一先生に『現代文学風土記』をご紹介いただきました。拙著にご関心を頂き、心より感謝申し上げます。西村ツチカさんの表紙も素晴らしく、「往時のカルチャー誌」という趣きの雑誌です。フリースタイルの書籍では江口寿史氏の美しい表紙の『小林信彦コレクション』を購入したことがありますが、同社は注目を集めている下北沢の出版社です。江口寿史、諸星大二郎、松本大洋各氏のポップアート作品も販売しています。

https://webfreestyle.com/

2022/06/16

中日新聞・東京新聞で『現代文学風土記』をご紹介いただきました

 中日新聞・東京新聞(2022年6月16日夕刊)の「大波小波」で『現代文学風土記』を取り上げて頂きました。「新しい文学散歩ガイド」という表題です。「この本にあるように一九七七年以降、約半世紀に限っても、これほど豊かな作品が、特定の土地の中から生まれていた」「純文学だけでなくエンタメにも目配りする著者の視野の広さに驚く。分厚い一冊だが、次の旅にはこれを携えていきたいものだ」という評に、非常に励まされました。歴史あるコラムで拙著を取り上げて頂き、心より御礼申し上げます。

2022/06/11

日本経済新聞で『現代文学風土記』をご紹介頂きました

 日本経済新聞(2022年6月11日朝刊)で『現代文学風土記』を取り上げて頂きました。「土地と小説の結びつき」という表題で、土地の記憶を語り継ぐ小説・批評の意義に着目した内容でした。川上弘美さん、桜庭一樹さん、青来有一さんの作品について論じた箇所に触れながら、本書の要点についてご紹介を頂いています。「土地に着目することで新たな批評が生まれる可能性を本書は示している」「文学は「読み」によって深みと広がりを増すのだ」という言葉に、非常に励まされました。発売から3週間ほどで全国紙で取り上げて頂き、心より感謝申し上げます! 

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61610610Q2A610C2MY6000/


2022/06/07

日本各地の新聞や英字新聞を対象とした「全国まわし読み新聞」のワークショップを実施しました

 国際日本学部の「日本のジャーナリズムA」(日本語、英語)の課外授業(5月18日実施)で、日本新聞協会の職員の方々とニュースパーク(日本新聞博物館、横浜市)の協力のもと、全国紙、地方紙、英字新聞の記事を読み比べ、切り抜きながら各自が興味を持った記事を紹介し合う「まわしよみ新聞」のワークショップを実施しました。

 様々な地域で発行されている新聞の記事を読み比べて、切り抜きながら、グループでの自分の関心について発表をし合うことで、創発的に時事的な関心を高める教育内容です。全国各地の新聞を手に取って読むことで、情報を読み解く能力を向上させ、新型コロナ禍で希薄になった「顔の見えるディスカッション」を再構築する試みです。当日は、「沖縄復帰50年と1972」の企画展や常設展も含めて、ニュースパークの尾高泉館長より、明治大学の学生向けに丁寧な解説を頂きました。

 下のリンクに学生の感想を掲載頂いています。日本新聞協会の方からも「ドイツの学生が、沖縄の本土復帰と東西ドイツ統一を重ね合わせていたことに、目がくぎ付けになりました。」とのコメントを頂きました。確かに、東西ドイツの統一と沖縄返還を重ねる視点は面白く、知己の共同通信の記者にも話をしたら、非常に感心してました。

https://www.meiji.ac.jp/nippon/info/mkmht0000000z4he.html

2022/06/04

西日本新聞で『現代文学風土記』をご紹介頂きました

 新著『現代文学風土記』が西日本新聞で紹介されました。一面の「西日本新聞」の下の広告欄にもご掲載を頂きました。この本を出版した後、様々なお仕事を頂き、心より感謝申し上げます。新型コロナ禍の中で仕上げた本ですが、こういう時期に頂いた様々な方々からのお心遣いを忘れないようにしたいものです。

https://bungaku.ismyprecious.jp/detail?id=905738366141186048



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久しぶりに文庫の解説のお仕事を頂き、嬉しい限りです。相応の分量で一つの小説と向き合う経験は何ものにも代えがたいものだと、改めて感じています。

2022/05/27

「遅いインターネット会議」 「風土」から考える現代日本文学

 宇野常寛さん司会の「遅いインターネット会議」で新著『現代文学風土記』(西日本新聞社)についてお話をします。ご関心が向くようでしたらぜひ。オンライン配信もあります。

 2022年7月5日に有楽町のSAAI Wonder Working Communityで19時半からです。オンライン参加が1000円、会場参加が3000円です。宇野常寛さんとは、朝日新聞社「論座」の「ゼロ年代特集」で誌面上でご一緒したことはありましたが、お会いするのは初めてで、楽しみにしています。

https://slowinternetmtg220705.peatix.com/view

2022/05/24

「現代ブンガク風土記」連載を終えて

 西日本新聞朝刊(2022年5月24日)に「「現代ブンガク風土記」連載を終えて」という原稿を寄稿しました。書籍版のあとがきで「限られた場所に根を張って暮らし、限られた人間と過ごす時間に意味を見出す人間は、有限な時空間を生きる、不完全な存在者である」と述べましたが、平等に人間が不完全であることが、日々の生活に彩りを与え、情感の豊かさや、十人十色の個性を形作り、文化の多様性を生み出しているのだと思います。書籍版『現代文学風土記』をどうぞよろしくお願いいたします。

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文芸誌の依頼で、20世紀を代表する女性哲学者の本を読んでいるのですが、久しぶりに読むと面白いです。人生もドラマティックです。ドゥルーズやデリダは英語で読んだ方が分かりやすいですが、欧州の書き手のものは結局、日本語で読むので概念系が完全に日本語ベースで記憶してしまいます。

2022/05/19

「アステイオン96」に寄稿しました

 「アステイオン96」(編集:サントリー文化財団・アステイオン編集委員会、発行:CCCメディアハウス)に、「「喪の作業」としての平成文明論」という原稿を寄稿しました。與那覇潤さんの『平成史』に関する10枚ほどの論考です。喪の作業(the work of mourning)は、『平成史』の中で言及されているフロイトの概念(人間が喪失を乗り越えるための心的プロセス)で、1月に入稿した私の原稿では本文の内容を踏まえつつ、デリダのフロイト解釈(と脱構築批評)を念頭に置いて書きました。原稿のご依頼を頂いた編集委員の先生方に心より感謝申し上げます。

 特集の「経済学の常識、世間の常識」など、興味深い原稿が数多く収録されています。長期的な視点を有する様々なテーマの論考を掲載した、素晴らしい雑誌だと思います。

 ちょうど平成期の文学作品を多く取り上げた『現代文学風土記』(西日本新聞社)を出版するタイミングだったので、よい機会でした。私も平成20年に『平成人(フラット・アダルト)』(文春新書)という本を書き(1万部は売れ、いくつかの大学入試でも使って頂きましたが)、平成という時代と価値観の変化に思い入れがあったので、與那覇さんの『平成史』とアステイオン誌上で向き合うことができ、嬉しく感じました。『平成史』(文藝春秋)は、細かな論点も含めて、平成期の様々な出来事や価値観の変化について深く考えさせられる良書です。

目次(2022年5月11日)

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784484222103

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「WEBアステイオン」(Newsweek Japanのサイト内)に、「氷河期世代が振り返る平成――「喪の作業」としての平成文明論」とタイトルを変更の上、公開頂きました。紙媒体とWEB版を上手く運用していて、「アステイオン」は素晴らしい雑誌だと思います。

WEBアステイオン 氷河期世代が振り返る平成──「喪の作業」としての平成文明論

https://www.newsweekjapan.jp/asteion/2022/08/post-71.php

2022/05/12

「新聞研究」(日本新聞協会)の2022年 5月号に寄稿しました

 日本新聞協会が発行する「新聞研究」の2022年 5月号(No.844)に「ウェブで記事の多メディア展開を─創意工夫で開く雑誌ジャーナリズムの将来」という原稿を寄稿しました。「新聞研究」はメディア史について教えてくると出てくる1947年に創刊された月刊誌で、GHQの統治下で作られた代表的な雑誌の一つです。新聞社やテレビ局の記者やジャーナリストが執筆者の大半で、メディア報道やメディアリテラシー、メディア環境のあり方について各社の利害を超えた立場から批評しています。私は「雑誌ジャーナリズムの将来」について書きました。特集は「ウクライナ侵攻と報道の視点」です。

 ご関心が向けば、図書館などでご一読を頂ければ幸いです。下記のような書き出しで始まる10枚と少しの原稿です。

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 現在、雑誌ジャーナリズムが直面している問題の要点は、①言論の極端化をめぐる問題と、②発行部数の減少と収益化の問題の二つに集約できると私は考える。前者の言論の極端化をめぐる問題については、オンラインでより大きな問題になっているため、雑誌記事、新聞記事の区別に関係なく、Web上で記事を配信する上で重要な問題だと言える。

 例えばハーバード大学ロースクール教授のキャス・サンスティーンは、″Republic.com.″や″Going to Extremes: How Like Minds Unite and Divide″などの著作で、オンラインの世論の極端化と社会の分断の関係について様々な分析を行っている。彼は「サイバーカスケード」という概念(サイバー空間上の滝という意味)を用い、類似した考えを持つ人々がWeb上で小さな滝が合流するように結び付き、短時間で大きな流れを作り、時に排外的な世論を形成することを危惧した。米国の活動家・起業家のイーライ・パリサーは、″The Filter Bubble: What the Internet Is Hiding from You″で「フィルターバブル」という概念(情報のフィルターが泡状に世界を覆っているという意味)を用い、オンラインで人々が、過去の履歴を解析され「見たい情報しか見ない」状態に置かれ、社会や世論の分断が促進されていることを危惧した。……

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「新聞研究」2022年 5月号(No.844)目次 特集「ウクライナ侵攻と報道の視点 第一回」

https://www.pressnet.or.jp/publication/kenkyu/220501_14632.html