2025/12/02

新刊『松本清張の昭和』12月25日発売 予約販売中

  新刊『松本清張の昭和』(講談社現代新書)が2025年12月25日に発売されます。一年ほどこの本の作業に打ち込んでおりました。新春に相応しい紅白の表紙です。「初の本格評伝」という帯文の通り、松本清張の山あり谷ありの人生が感じられる本です。

Amazon

https://amzn.to/3Y0yhT9

楽天ブックス

https://books.rakuten.co.jp/rb/18456555/

 

 目次などの詳細は下のnoteに記しています。

https://note.com/msakai77/n/ne17a60e4c1a0

 この本の講談社現代新書のHPは下記です。よろしくお願いいたします。

https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000422900

 本を出すこともあり、Xのアカウントを作りました。noteと同じく、気長に取り組んでみようと思います。

https://x.com/msakai77

2025/11/30

産経新聞と週刊読書人の書評

 産経新聞(2025年11月30日)に『福田和也コレクション2』の書評を寄稿しました。タイトルは「快活で繊細な批評集」です。福田和也先生は、「遥かさ」が感じられる天才的な批評家でしたので、『福田和也コレクション2』についても書評を掲載できて良かったです。

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 文体を研ぎ澄ました初期の傑作が網羅されているのがうれしい。戦前の東京の下町を描いた長谷川利行の「大火事のような明るさ」から「近代小説のくらさ」に迫る『日本の家郷』。自身の遊芸の限界で覚えた「日本という烙印」に、個人的な体験の総和としての「歴史」を通して挑む『「内なる近代」の超克』。保田與重郎が有していた「悠々とした世界性と浪漫精神」の中に、文業の「空虚それ自体としての遥かさ」を見いだす『保田與重郎と昭和の御代』。何れも平成日本を斬り、昭和日本の核心を突き、近代日本の諸問題に体当たりした代表作である。

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https://www.sankei.com/article/20251130-HJUIW6YBEVJ6ZLKNGZYKRHQSQA/

 あと週刊読書人(3615号)に藤井淑禎著『松本清張と水上勉』の書評を寄稿しました。タイトルは「日本型私小説への批判と克服 戦後日本を代表する2人の大作家の「文学的生涯」」です。前半の表題は本文を採用したもの、後半は編集部が付けたものです。書き出しは下記です。

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「小説は大人の説じゃなくて小人の説なんだ。だから面白く語らなきゃいけないんだ」(「清張さん、ちょっといい話」)と松本清張は水上勉に語っている。水上勉にとって松本清張は、作家として再浮上するヒントをくれた恩人だった。本書は、戦後日本を代表する二人の大衆作家の「文学的生涯」に、主要作を通して迫る。藤井淑禎が述べているように、この二人の作風の差異を分析することは「日本型私小説への批判と克服」について考える上で、興味深い。

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 2025年12月25日に講談社現代新書より『松本清張の昭和』が、1月に朝日新聞出版より単行本が出ます。後者の奥付の発行日は今のところ2026年1月30日です。書籍の詳細については後日、書きます。何れも内容、装丁ともに良い感じに仕上がっています。

2025/11/16

台湾の文芸誌「聯合文學」に寄稿しました

 台湾の文芸誌「聯合文學」のNo.493に「吉田修一作品中的風土與社會現象之考察」という原稿を寄稿しました。吉田修一さんや李相日監督、中村鴈治郎さん、吉沢亮さん、横浜流星さん、渡辺謙さんのインタビューや対談等と一緒にご掲載を頂いております。表紙も目を引く素晴らしいデザインです。

 日本でも入手できるようで、国会図書館のデータベースにも入っていました。私の原稿に合わせて頂いて、長崎の史跡料亭花月や琵琶湖大津館、出石永楽館のイラストも入っています。痒い所に手が届く編集に、感動しました。

目次

https://www.unitas.me/archives/58368




2025/11/14

青柳碧人著『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』書評

 青柳碧人さんの『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』の書評が西日本新聞(2025年11月1日)に掲載されました。江戸川乱歩の没後60年ということもあり、取り上げてみました。

https://www.nishinippon.co.jp/item/1418498/


 年末に出版予定の本×2冊は、帯文や表紙のデザインも含めて、順調に編集作業が進行しています。出版不況の光明と言えるオーディブルにもできると嬉しいです。

 福田和也先生の命日までに2冊という思いで1年間机に向かってきましたので、ひと区切りという感じがしています。2冊を書き終えるまで、墓参りも控えていましたので、ようやく良いご報告ができます。文芸と春秋(ジャーナリズム)を架橋する内容で、批評の方法論の上でも達成感があります。

 年内の入稿済の原稿は、新聞等の書評が3本、台湾の文芸誌向けの原稿(12枚ほど)、その他、文芸の裏方の仕事など。連載「松本清張がゆく」は、年内にもう一回、掲載予定です。1月には直木賞の予想対談もあります。

 文芸批評は、定期的に成果を本にすることが重要ですので、業績が一段積み上がったところで、先々の仕事の準備(資料集めなど)にも、取り組みたいところです。いくつか大きめの仕事を構想しています。地味な作業の積み重ねが大事だと、改めて実感しています。

2025/11/03

「食と文学」をめぐる白熱講座 酒井信 × 宇野常寛

 宇野常寛さんとPLANETSで対談した動画が公開されました。表題は「なぜ村上春樹の食事はマズそうなのか? 「食と文学」をめぐる白熱講座」です。宇野さんの『ラーメンと瞑想』(ホーム社)に関する内容で、宇野さんの編集者としてのセンスが生きたタイトルだと思います。

 私は村上春樹作品の食事はそれほどマズそうとは思っていないのですが(笑)、それに近い議論を宇野さんとしています。私からは、「食と文学」について正岡子規、向田邦子、林芙美子、村上春樹、福田和也、宮沢賢治、谷崎潤一郎、開高健を参照しながらお話ししました。

 私のお勧めのラーメンとして、青森の麺や西絶豚(ゼットン)のデス煮干し、松本清張が愛した小倉の中国料理・耕治のラーメンとやきめし、武蔵野アブラ學会の油そばを紹介しています。

なぜ村上春樹の食事はマズそうなのか? 「食と文学」をめぐる白熱講座 酒井信 × 宇野常寛

https://www.youtube.com/watch?v=1smRsrRpUek&t=1785s

2025/10/24

「松本清張がゆく 西日本の旅路」第20回 「神と野獣の日」大阪城

  西日本新聞の連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」第20回(2025年10月2日)は、米ソの冷戦下で、核戦争が危惧された時代を風刺した「神と野獣の日」を取り上げました。担当デスクが付けた表題は「核戦争の恐怖描く政治小説」です。

 2万キロ離れたZ国から誤射された「5メガトンの核弾頭をつけたミサイル」が、東京にあと41分で着弾する場面からはじまるSF色の強い作品です。

 一発目のミサイルによる被害が少なかったことに安堵した人々の頭上に、「ぽつんと一つの黒点」が現れるラストシーンは、実に不穏で、核戦争の恐ろしさを読者に体感させる内容と言えます。

https://www.nishinippon.co.jp/item/1406382/

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 西部警察のオープニング曲をたまに聞くのですが、エレクトーンで全パートを再現している女性がいて感動しました。足鍵盤がパワフルで良いです。

https://www.youtube.com/watch?v=dAw_UqDzdiA&list=RDdAw_UqDzdiA&start_radio=1

 西部警察については、PART1の大門BOXも良いですが、PART2の鳩村BOXも良いです。ただ「警視庁の大門だ」と言いながらも、管轄を越えて北日本から西日本まで出撃しています。渡哲也は素手でも十分強いのに、ヘリから狙撃もやり、銃弾がなぜか大爆発という。

https://www.youtube.com/watch?v=_g9r6__YQbA

https://www.youtube.com/watch?v=8IUTcLZhwBc

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 運動歴として、小学校でサッカー6年、中学校でバドミントン3年、高校でテニス3年、大学でアメフト短期間(怪我)がありますが、近年は膝と肩の負担を軽減するために、水泳のみをやっています。プールは夏も快適で、ストレス解消と健康維持にちょうどいいです。

 原稿を色々と書いていますが、新聞に初めて記事が載ったのはサッカー少年団の時でした。諏訪神社といえば長崎くんちですが、小学校5年生の時に踊町で練習を行い、昭和天皇の病状が悪化して延期となり、小学校6年生の時も練習・本番だったので、かなり大変でした。都会で中学受験を行うような生活とは、大きく異なる幼少期だったので、子供は食事睡眠をしっかりとって、3教科ぐらい勉強すればいいのでは、と思ってしまいます。

2025/09/26

與那覇潤著『江藤淳と加藤典洋』 書評

 與那覇潤さんの『江藤淳と加藤典洋』の書評が西日本新聞(2025年8月30日)に掲載されました。表題は「力弱き父と力弱き母」です。與那覇さんらしい、戦後史の知見が生きた良い本です。

 年末に出版予定の本×2冊の初稿の確認作業で、書評の告知が漏れていました。宇野常寛さんと『ラーメンと瞑想』についてお話しした動画も、近々、PLANETSで公開されると思います。

https://www.nishinippon.co.jp/item/1393754/

 書き出しは下記です。今年から定期的に西日本新聞で書評を書いています。

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「国破れて小説」あり、と本書の帯に記されているように、戦後の日本文学は充実したものだった。日本文学が「時代を映す鏡」となった時代に批評家として活動した江藤淳を、本書で與那覇潤は次のように紹介している。「その人は尊王家で、敗戦により現人神の地位から零落しても、人間として生き抜こうとする天皇の姿に、力弱き父の最後のモラルをみていた」と。<続く>

2025/09/09

酒井順子著『松本清張の女たち』書評/産経新聞

 産経新聞(2025年9月7日)の書評で、酒井順子さんの『松本清張の女たち』について論じました。表題は「色艶のあるエッセー」です。

 書き出しは、下記のとおりです。

「どんな相手のことも、性別や肩書きにとらわれず一人の人間として見る」と、著者は松本清張(1909~92年)を高く評価している。貧しい家庭で生まれ育ち、弱い立場の人々のことをよく知る清張は、人間への公平な眼差(まなざ)しを持つ作家だった。続く

https://www.sankei.com/article/20250907-WIWOTBV4PNLPFIQWWBEOL3ZHUM/

詳細についてはnoteに記しています。

https://note.com/msakai77/n/nd55d81b80aa9

2025/08/13

noteのアカウントを作りました

 近々出版する新書の初稿を書き終えた区切りもあり、noteで少しずつ告知をしていくことにしました。相互フォロー歓迎です。徐々に色々書きます。

よろしくお願いいたします!


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 Bloggerのデザインを変えてみました。ここ数日、noteを熱心にやってみましたが、記事を2つ削除してしまう操作ミス。著作一覧のマガジンの表示順を変えるつもりで削除を押し、記事自体が消えてしまうという。ダッシュボードから文章は復元できたので良かったですが、まあよくある話ですね。
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 noteの操作感が良く、こちらの利用が主となりそうです。動画などリンクが画像表示されるのがいいですね。音楽や映画、演芸関連の紹介記事もアップロードしていきたいと思います。
 演芸というのは、アメリカだとスタンダップコメディやSNLのようなコント番組で、日本だと落語や漫才、歌などです。個人的には、子供の頃にディナーショーに参加して以来、コロッケの物真似が好きです。淡谷のり子、長渕剛、八代亜紀、五木ひろしなど、確実に爆笑できるネタが多いのが素晴らしいです。コロッケを、人間国宝に推したい。
 私は文芸の世界は、芸事の世界と近いものだと考えています。三遊亭円朝(初代)が言文一致に大きな影響を与えていますし、漱石や正岡子規など寄席に通っていた作家も多いです。寄席には落語だけではなく、歌や漫談、曲芸もあります。多くの作家の人生や作品に触れれば、文芸が堅苦しいものではなく、自由なものであることが分かります。
 noteは文芸作品が好きな人が多そうで、頻繁に文章をアップロードしなくとも良さそうなので、しばらく続けてみようと思います。ひと昔前の小説や映画について、熱心に記事をアップロードしてる人が多くて、良いと思いました。
 noteには文藝春秋が出資していますので、読み書きのノウハウが生きている印象を受けます。

2025/08/11

映画『国宝』は歌舞伎を「殺した」のか? 吉田修一&李相日監督の到達点を語り尽くす

 映画「国宝」について、批評家の宇野常寛さんと映画評論家の森直人さんとお話した動画が公開されました。「国宝」について、かなり踏み込んだ濃い批評になっています。他で言及されていない製作の背景、原作の位置付けなど、玄人色の強い情報も盛りだくさんです。ご関心が向くようでしたら、ぜひ。

映画『国宝』は歌舞伎を「殺した」のか? 吉田修一&李相日監督の到達点を語り尽くす

https://www.youtube.com/watch?v=Y_q0gmNy7vY&t=6s