西日本新聞の連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」第14回(2025年3月23日)は、松本清張の直木賞候補から芥川賞を獲得した「或る「小倉日記」伝」を取り上げました。担当デスクが付けた表題は「文豪の足跡追う主人公への敬意」です。
この小説が発表された1952年、松本清張は朝日新聞西部本社で広告部意匠係として勤務しながら小説を書いていましたが、最初の「スランプ」に直面していました。新人作家として燻っていた清張を「三田文學」に紹介したのは、同誌の編集委員で「頭脳パン」でも知られる木々高太郎です。「或る「小倉日記」伝」で主人公の耕作を支援する白川慶一郎のモデルは、小倉の開業医で俳人だった曽田共助だとされますが、木々の姿も重なって見えます。
「西郷札」と比べると物語の面白さという点では劣りますが、清張らしい「人間に対する公平な眼差し」が生きた作品です。悲劇的な筋書きも坂口安吾や川端康成、佐藤春夫などから高い評価を受け、後続の清張作品に深みを与えたと思います。
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先日、楽天大学ラボで三島由紀夫や江藤淳などについて話したあと、宇野常寛さんからお声がけを頂き、PLANETS YouTubeチャンネルで「連続対談 庭の話の話」の収録を行いました。吉本隆明、柄谷行人、ジョナサン・カラー、ハンナ・アレント、マイケル・サンデルなど、盛りだくさんの良い話でした。「庭の話の話」としては、最長だったそうで、近日、アップロードされると思います。