宇野常寛さんの「遅いインターネット会議」でお話した冒頭30分ほどの内容が下のYouTubeのリンクで無料で観れます。宇野さんとはエンドレスにお話ができる感じで、面白い論点が多々ある充実した対談だったと思います。楽しい会場の雰囲気が伝わってくる映像かと思います。ご関心が向くようでしたらぜひ。
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=g1soOU0YQbw
アーカイブ
https://community.camp-fire.jp/projects/65828/activities/395113#main
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再帰的に見出される「風土」の現代的な価値について、宇野さんと議論が盛り上がりましたが、ジョン・アーリを引きながら触れた「日本の温泉」の観光的な価値の高さについて考えると伝わりやすいと思います。たとえば私は作家にゆかりある温泉宿やホテルをめぐるのが趣味ですが、対談で述べた「文学と温泉」の関係に「再帰的な価値」が織り込まれることも、集合的な記憶の継承という観点から、肯定する立場です。
歴史ある旅館や作家の自宅の維持の大変さは、色々な方々から聞いていますが(修善寺の某旅館も経営が変わってリゾート化されたわけですが)、川端康成ゆかりの天城湯ヶ島・湯本館や、谷崎潤一郎ゆかりの有馬温泉・御所坊はいい宿ですし、海外でも作家にゆかりのある家やホテル、アパートは魅力的な観光資源になっています。
これまで訪れた範囲だと、ハバナのヘミングウェイの自宅やホテル、トリエステのジョイス博物館、モスクワのドストエフスキーの家やロンドンの漱石記念館(2016年に閉館)など、観光的な価値と結びついた「文学的な風土」を感じさせる場所が好みで、旅先としてお勧めです。