2025/09/26

與那覇潤著『江藤淳と加藤典洋』 書評

 與那覇潤さんの『江藤淳と加藤典洋』の書評が西日本新聞(2025年8月30日)に掲載されました。表題は「力弱き父と力弱き母」です。與那覇さんらしい、戦後史の知見が生きた良い本です。

 年末に出版予定の本×2冊の初稿の確認作業で、書評の告知が漏れていました。宇野常寛さんと『ラーメンと瞑想』についてお話しした動画も、近々、PLANETSで公開されると思います。

https://www.nishinippon.co.jp/item/1393754/

 書き出しは下記です。今年から定期的に西日本新聞で書評を書いています。

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「国破れて小説」あり、と本書の帯に記されているように、戦後の日本文学は充実したものだった。日本文学が「時代を映す鏡」となった時代に批評家として活動した江藤淳を、本書で與那覇潤は次のように紹介している。「その人は尊王家で、敗戦により現人神の地位から零落しても、人間として生き抜こうとする天皇の姿に、力弱き父の最後のモラルをみていた」と。<続く>