西日本新聞の連載「現代ブンガク風土記」第四回では、吉田修一の芥川賞受賞直後の長編「長崎乱楽坂」を取り上げています。現在、朝日新聞朝刊で連載中の「国宝」の原型となった作品と言えるかも知れません。表題は「観光地・長崎の明暗」です。
この作品は長崎の市街地側の山の斜面を舞台にしたものではなく、三菱重工長崎造船所のある対岸の稲佐を舞台にした作品です。稲佐山は観光地として有名ですが、この小説は展望台へと向かうロープウェイが上空を通り過ぎていく、長崎の昔ながらの坂と石段の町に住む昔ながらの「やくざ」一家を描いた作品です。零落する「やくざ」の描写には、その後の吉田修一の代表作のモチーフとなる要素が多く詰まっていて、味わい深い作品です。
「現代ブンガク風土記」は第一回から第四回まで長崎を舞台にした作品を取り上げました。次回は長崎から遠く離れた場所を舞台にした、現在進行形の「郊外」を舞台にした作品を取り上げる予定です。
私が所属している文教大学のHPでも本連載をご紹介頂いています。
http://www.bunkyo.ac.jp/news/media/20180404-02.html
この作品は長崎の市街地側の山の斜面を舞台にしたものではなく、三菱重工長崎造船所のある対岸の稲佐を舞台にした作品です。稲佐山は観光地として有名ですが、この小説は展望台へと向かうロープウェイが上空を通り過ぎていく、長崎の昔ながらの坂と石段の町に住む昔ながらの「やくざ」一家を描いた作品です。零落する「やくざ」の描写には、その後の吉田修一の代表作のモチーフとなる要素が多く詰まっていて、味わい深い作品です。
「現代ブンガク風土記」は第一回から第四回まで長崎を舞台にした作品を取り上げました。次回は長崎から遠く離れた場所を舞台にした、現在進行形の「郊外」を舞台にした作品を取り上げる予定です。
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