西日本新聞の連載「現代ブンガク風土記」の第14回(2018年7月1日)は、現代日本を代表する「上京文学」と言える、リリー・フランキーの『東京タワー』について論じています。表題は「炭鉱町らしい『生活の哲学』」です。
リリー・フランキーの『東京タワー』は2005年に単行本として発売されベストセラーとなった自伝的な小説ですが、2003年から「en-taxi」に連載されていた当初は、「エッセー」として掲載されていました。往時の筑豊の風土と気風を伝える言葉と、筑豊の宮田の地に足の着いた面白いエピソードの数々に、強く心を動かされます。
「この町は豊かな町ではなかったけれど、ケチ臭い人の居ない町だった」
「『家族』とは生活という息苦しい土壌の上で、時間を掛け、努力を重ね、時には自らを滅して培うものである」
『東京タワー』は直木賞を受賞してもおかしくない「生活の哲学」に満ちた深みのある作品で、炭鉱町から東京のメディアの中心へとダイナミックに話が展開される点も面白いです。役者としてリリー・フランキーの評価が高まっている時期ですので、作家としての再評価も期待しています。
リリー・フランキーの『東京タワー』は2005年に単行本として発売されベストセラーとなった自伝的な小説ですが、2003年から「en-taxi」に連載されていた当初は、「エッセー」として掲載されていました。往時の筑豊の風土と気風を伝える言葉と、筑豊の宮田の地に足の着いた面白いエピソードの数々に、強く心を動かされます。
「この町は豊かな町ではなかったけれど、ケチ臭い人の居ない町だった」
「『家族』とは生活という息苦しい土壌の上で、時間を掛け、努力を重ね、時には自らを滅して培うものである」
『東京タワー』は直木賞を受賞してもおかしくない「生活の哲学」に満ちた深みのある作品で、炭鉱町から東京のメディアの中心へとダイナミックに話が展開される点も面白いです。役者としてリリー・フランキーの評価が高まっている時期ですので、作家としての再評価も期待しています。