「現代ブンガク風土記」が100回を迎えました! 読者の皆さまに心より感謝申し上げます。毎週一冊、原稿用紙で4枚ほどの原稿を書き続けて約2年。100回記念ということで、本連載を振り返った論考が、別途、上下で掲載されます。福岡で講演を行ったおりも、読者の方々にあたたかいご感想を頂き、非常に嬉しかったです。「現代ブンガク風土記」は100回を通過点として、広い意味での「地方」を舞台にした小説を取り上げながら、まだまだ続きます!
西日本新聞の連載「現代ブンガク風土記」(第100回 2020年3月15日)は、芥川賞作家・伊藤たかみの『あなたの空洞』を取り上げています。表題は「身近な他者の中にある「空洞」」です。伊藤たかみは日常の中に潜む「文学的な問題」をユーモラスに切り出すのが上手い作家で、この作品は、震災と原発事故後の都市生活の微妙な変化を題材にした「震災文学」です。大震災後の社会を生きる人々が経験した「余震」を、小説らしい表現で捉えることに成功しています。
伊藤たかみ『あなたの空洞』あらすじ
震災後の日本の日常を生きる人々を描いた短編集。表題作は流産した経験を持ち、子宮筋腫を患った妻を持つ俊之の日常を描いた作品。「なかったということも覚えておかなくてはならない」という、震災後の現代日本に響く、切実な問いが投げかけられる。その他「ふらいじん」「僕らの排卵日」「母を砕く日」という印象的な表題の短編を収録。
西日本新聞の連載「現代ブンガク風土記」(第100回 2020年3月15日)は、芥川賞作家・伊藤たかみの『あなたの空洞』を取り上げています。表題は「身近な他者の中にある「空洞」」です。伊藤たかみは日常の中に潜む「文学的な問題」をユーモラスに切り出すのが上手い作家で、この作品は、震災と原発事故後の都市生活の微妙な変化を題材にした「震災文学」です。大震災後の社会を生きる人々が経験した「余震」を、小説らしい表現で捉えることに成功しています。
伊藤たかみ『あなたの空洞』あらすじ
震災後の日本の日常を生きる人々を描いた短編集。表題作は流産した経験を持ち、子宮筋腫を患った妻を持つ俊之の日常を描いた作品。「なかったということも覚えておかなくてはならない」という、震災後の現代日本に響く、切実な問いが投げかけられる。その他「ふらいじん」「僕らの排卵日」「母を砕く日」という印象的な表題の短編を収録。