西日本新聞の連載「松本清張がゆく 西日本の旅路」第6回(2024年8月26日)は、大分県中津市の耶馬渓や山口県宇部市、朝鮮半島の井邑などを舞台にした『絢爛たる流離』を取り上げました。この作品は、1963年に「婦人公論」に連載された連作で、「三カラット純白無疵」の「不幸のダイヤモンド」が引き起こす事件の数々を描いた「犯罪小説」です。松本清張が朝鮮半島で従軍した経験を投影した数少ない「戦争小説」の一つとも言えます。担当デスクが付けた表題は「欲望に根差した「悲劇の舞台」」です。
1955年に「オール讀物」に掲載された短編「赤いくじ」を発展させた内容で、50年代の短編の良さと60年代の長編の良さの双方が感じられます。ゲンロンのイベントの質疑で、私が松本清張の入門書として挙げた作品で、従来、評価が低かった作品の一つです。
夏休みは、この連載のストック分の原稿(9月は2本掲載)と、書評が一本、少し長めの論考に、ゆるゆると取り組んでいました(夏バテでほどほどの進行)。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1250594/
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帰省のついでに家族でジブリパークに行きました。「食べるを描く」や「名場面」の展示が、子供たちにも好評でした。欲を言えば、ジブリらしく人にお金をかけた、親子で楽しめるショーがあると嬉しく、「千と千尋の神隠し」の舞台版や「風の谷のナウシカ」の歌舞伎版の短縮上演があると良かったです。またジブリ的というか、転向左翼的なコミュニタリアニズムに根差した農業体験もあると、子供の教育に良いと思いました。たたら場で五平餅を焼きましたが、ズイヨー映像時代の「アルプスの少女ハイジ」の著作権をとって、ハイジのチーズや白・黒パンの食べ比べができるといいなと思いました。小田部洋一の展示も常設で見たい。
個人的には、ご当地プロレスみたいな「箸休め」のようなイベントがあると面白く、たとえば、カオナシとトトロが「どんどこ森」で、超獣ブルーザー・ブロディのようなムーブで闘うと、名物「魔女の谷のビール」もすすむと思いました。プロレス好きだった野坂昭如の「火垂るの墓」のバックストーリーの展示も見たい。
ジブリについては、前に資料を読み込んだ時の記憶がそこそこ残っていたので、また本を書きたいと考えています。