西日本新聞の連載「現代ブンガク風土記」(第104回 2020年4月12日)は、井上荒野の直木賞受賞作『切羽へ』を取り上げています。表題は「親子二代の記憶を宿して」です。
オンライン授業に向けた準備を進めながら、本を読み、原稿を書く日々です。今週、本棚の増設工事を終えると、研究室の引っ越しがひと段落します。
『切羽へ』をについて、井上荒野は父・井上光晴が育った長崎県の崎戸を舞台にしているとインタビューで述べています。井上光晴は福岡県久留米市の生まれですが、軍港だった佐世保や炭鉱の島として栄えた崎戸で育ち、これらの土地を舞台に小説を記しています。高校生の頃に、この作品を清書する手伝いをして「父の文体を憶えた」というほどで、東京生まれの井上荒野の「血肉」には、長崎県の崎戸の情景がしみ込んでいるのだと思います。
オンライン授業に向けた準備を進めながら、本を読み、原稿を書く日々です。今週、本棚の増設工事を終えると、研究室の引っ越しがひと段落します。
『切羽へ』をについて、井上荒野は父・井上光晴が育った長崎県の崎戸を舞台にしているとインタビューで述べています。井上光晴は福岡県久留米市の生まれですが、軍港だった佐世保や炭鉱の島として栄えた崎戸で育ち、これらの土地を舞台に小説を記しています。高校生の頃に、この作品を清書する手伝いをして「父の文体を憶えた」というほどで、東京生まれの井上荒野の「血肉」には、長崎県の崎戸の情景がしみ込んでいるのだと思います。