2020年度の問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究拠点成果報告会で「東日本大震災及び福島第一原発に関する「風評被害」の報道内容と地理空間上の分布に関する通時的な研究」の発表を行いました。
この研究はサイバースペース上に構築される多次元・多解像度の地球(デジタルアース)の研究開発で、主として社会科学に関わる問題を表象する情報・データの収集・蓄積・分析を行うことを目的とした内容です。
今年度の具体的な作業としては、2011年3月11日から2020年12月31日の東日本大震災及び福島第一原発事故の「風評被害」に関する読売新聞と朝日新聞の報道推移について、報道量・報道内容の分析を行いました。次年度のゼミ学生5名にも、在宅のアルバイトで新聞記事のデータベースを使用したメタデータ作成作業に従事してもらいました。
風評被害に関する研究は、報道内容の分析に関わるMedia Studiesにおいて一般的なもので、社会的な二次災害は流言・デマを主たる要因として生じる傾向にあります。慶應義塾大学の助教時代から継続的に取り組んでいる自然災害・人的災害に関するニュースの定量的な研究です。